鴨川

体がほんわかあったかい
体をさする風も柔らかく
長く伸び生えた草を靡かせる
泥とゴミに穢された川の表面も
袈裟のように皺を寄せては白く輝き
身を乗り出し目を凝らさない限り
さも美しき川にみえる
小さき鳥らしき影は
足早に低空飛行して横切り
着陸しては水辺で
ちょこちょこ歩きながら遊ぶ
白や黄色の蝶は気にも止めずに
優雅にヒラヒラと
まるでリボンのように
草花のあいだを舞い踊る
優しく過ぎていくいまを
こころで味わいながら
ベンチに座り
たまに足を突っぱねるようにして
伸ばしながら
鴨川の情景を「私」はスケッチする


24/05/17 15:42更新 / 秋乃 夕陽
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c