冬の精

蒼く白く浮かび上がる斜面を手のひらで滑り降りて
ごわついた皮膚の冷たさを知る

まるでゴム毬のような乳房をわし掴みして
その谷間に暗い頭を挟み
これが生きている証拠だと誇張する

あぁ、生きている
死んでいる
生キテイル
死ンデイル
女は死んで私は生きている

滑らかな曲線を指で画いて失った体温を脳の奥底で感じよう
血の気のないひんやりとした冬を女が運んで来たのだから

開いた毛孔から生える産毛の一本一本までも
恥じらうことなく私は愛そう

雪のような麗しき肌は欲望のまま体で愛でて
心で昇華すればよい

凍える吐息とともに一年の最期(おわり)を
硬く柔らかな旋律に変えて

24/12/01 22:32更新 / 秋乃 夕陽
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