共に越える

地は堕ち人々の叫びが聞こえる
笑い合った家族が一瞬にして哀しみに変わる
疲れ切った人々の朦朧とした現実
瓦礫の下に生き埋めとなった人々の無念な嘆き

年の始まりが自然による災いの炎と化す
急激に迫り来る冷えは悪魔の笑いか
理不尽な仕打ちに我目を見張るばかり
断ち切られた命の絆
何故に何故にと憂う

私のもう一つの故郷はこうして破壊された
雪で閉ざされた中で幼き日
震えながら抱かれた母のぬくもり

怒涛なる感情が黒い渦となる
たとえ目を塞いでも消える事なき
突き上げられた地底からの因果
苦み走った記憶の底を開ける

耐えるばかりの人々の思いに
いま私たちは心を傾ける

24/11/24 16:52更新 / 秋乃 夕陽
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