雷の牙城

にわかに冷たい風の便り
燃え尽きぬ心(しん)を揺さぶる
微かな怒りを持って銀色に光る雷を振りおろす

あぁ、静まらぬ我が阿修羅が紅黒い焔を身に纏い
柔な嘲笑を叩きつけんとする

鋭く研ぎすまされた痛みが光のように走り抜けた
まるで出口を失った哀しみ
我が心臓を一突きして溶け去った永遠の死

今そこにある幸せすらも
ロウソクの火のように消えうせてしまう

混ぜこぜにされた感情が行き場を喪い
盲目(めくら)になった

すべてが白く均等に塗り直された瞬間
高く積み挙げられた希望は脆くも崩れ去るだろう

24/11/20 00:39更新 / 秋乃 夕陽
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