黒い腕
灰色の空にも光が差すことがある
しかし、いま立ち止まったこの場所に光はあるか
どす黒く舞い上がる排気ガスの
鼻の奥まで汚れてしまいそうな世の終わりに
ふと振り返れば道は途切れ
ちぎれた破片が道端の泥に塗れる
前を向けばぽっかりと赤黒い口腔(くち)が
一瞬の隙をついて飲み込もうと待ち構えている
行き先を遮るようにして
微かな詩(うた)と嘲笑い(わらい)声
太く乱暴な腕がまるで家畜を追いやるように
強い力で私の尻たぶを打った
24/11/03 12:54更新 /
秋乃 夕陽
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