暗路

長くて細長い暗がりを手探りで歩む
どこにも掴まる所なんてないのさ
まるで奈落に堕ちて
這い上がることすら叶わぬ
ちっぽけな蟲のよう

そうさ、オレは蟲さ
どす黒い羽を生やし
厭らしい触覚であちこちを探りまくる
誰もが一目見ただけで跳びすさるほど
身の毛もよだつ嫌われ者

俺にはよく視えるんだ
鐵色の複眼で
白い霧を吹き掛ける阿漕な連中を

それでもオレは奈落から這い上がることなく
闇をさ迷い歩く
ねじ曲がった今日という時間軸のなかで

24/10/20 01:19更新 / 秋乃 夕陽
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