哀しみと夢

こぼれ落ちた涙が丸いカーブを画いて
小さな金属の穴に吸い込まれてゆく
洗面器の白い肌に沿って

こんなにも希望が儚くて哀しいなんて
思いもしなかった
今はただこうして鏡も見ずに
傷みを堪えていたい
これが唯一僕に対する罰だとしたら

どうしてこんなにも
吐き出したくても吐けない苦しみがあるの
まるで口に拡がる血の味を
必死に押し留めようとしてるみたいに

もう全てを投げ出して
今は哀しみの渦に捲き込まれていたい
心が晴れ渡るその日がいつか来るまで

24/10/18 00:32更新 / 秋乃 夕陽
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