青い果実
決して堕ちまいとして
必死に樹木の枝にぶら下がる青い果実
一口かじれば
まだ硬くて甘酸っぱい味がする
それは吹き荒れる嵐に抵抗しようとする証
真っ直ぐに太陽を睨みつけ
世間に己れの存在を知らしめようと自ら印象を刻み込む炎
燃やす命をまだ見ぬ未来に託し
畏れと不安を大地の鏡に映すたびに
長く伸びた枝が危なげに風で揺れる
あぁ、この切なげなため息を
誰が聞き咎めようか
溢れる輝きの刹那に消えゆく真の美しさを
何人も見い出せぬならば
どんな景色も色褪せてしまう
もし、陽射しを孕む容貌を割り裂き
滴る果汁を搾り出したならば
厚い皮に阻まれた憂いの種子を知る事となるだろう
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