路地裏の貴婦人
水に滴る青紫の鮮やかなる宝石に暫し眼を止め
ココロ奪われる
どんな貴婦人よりも麗しく気高く天を見上げるその姿は
地に足を着けた他の生き物逹をも圧倒させる力となり
忘れかけた感性を呼び起こす糧となる
一枚一枚の舌先に透明な雫を乗せて憂いすら見せぬその姿は
降りかかる災難すら跳ね飛ばし
また、自らの栄養として吸収し緑色の四肢を伸ばして
可憐なる造りとは裏腹に逞しく活きてゆく
あぁ、天の憂いもこの紫のドレスを纏った貴婦人には
とうてい敵うまい
どんな曇り空も彼女の微笑みひとつで
すぐさま掻き消えてしまうだろう
なぜなら、天は彼女の味方
路地裏にひっそりと佇む貴き彼女を
厳しくも優しく見守る自然は決して
放ってはおかないのだから
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