安全地帯(ホーム)
天に暗き蒼の幕が降り街に薄闇が覆う頃
背中を撫でるような畏れが霊気となって通り抜ける
思わず後ろを振り返り駆け出してしまいそうな本能
それは先祖から受け継いだ遺伝子
遥か彼方からやって来た情報がおののきとなって駆け巡る
我が身を掻き抱き温もりで邪気を祓うように包み込むけれど
光りのなかの闇はよりいっそう濃さを増してゆく
たった独りの身体では
誰かにすがり付くことも頼ることも出来ない
震える指が頼りなく無惨に思えてしまうこの世界
黒く染めあげられた群雲を見上げて
不安ばかりを募らせてゆく
あぁ、街の明かりがなぜか小さく見えてしまうよ
行き止まりの感情が己を呑み込んでしまう前に
我が古巣(や)へと還ろう
その場所こそが心落ち着かせる真の拠り所
己が安心できる安全地帯
穏やかな温もりのなかへ潜り込み
闇を突き抜け明日への活力を蓄えよう
やがて夜は明け新しい陽が昇る頃
満ちる勇気が元気となって未来へと繋いでゆくから
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