五体投地

傷跡裂ける
めりめりっと
亀裂から溢れる赤い体液
静かに眺めたまま
堕ちゆく雫舐め掬う
舌の感覚柔らかく
途となった跡を指で辿る
生温かな触感に怯えながら
屈折しつつ伸び上がる
そう私は待ちぼうけの民
霞の中で迷う人のように立ち尽くす
入口も出口もわからぬまま
途方に暮れた挙句
心体全て投げ出した
俘囚の民


24/04/16 13:09更新 / 秋乃 夕陽
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