悠久の壁
臆病なボクは傷つく事が怖くて君を愛せずにいる
硝子越しに眺めるだけで
君に指一本触れる事の出来ない臆病者さ
君の柔らかな眼差しが鋭い視線に変わるのが耐えられなくて
まるでひ弱な小動物のように震えている
一歩踏み出さなければ何も始まらないって事ぐらい
頭では分かりきっているのに
君に対するどんな証も持ち合わしていないボクは
軽蔑の白い雨で精神が濡れ細ってしまう惨めさを
反射的に避けようとして
逆に愚かな姿を曝け出してしまうのさ
ねえ、どうしたらボクと君との間に聳え立つ巨大な壁を
ぶち破る事が出来るのだろう?
君は澄ました顔をしてボクを避けている
ボクもそんな君を見てびくびくしながら見つめている
ふたりの醸し出した越えられない壁
ああ、ボクに勇気があるならばいつか越えてみせる
悠久の壁
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