ナイショ話

広げた指のひとつひとつに溢れ落ちる僕の涙
冷淡な月が見下ろす夢は幻となって僕をひき裂く

あぁ、差し出した手をいぶかしげな瞳で振り払う君
虚空を舞う傷みは僕の中で仄かな熱を帯びてくすぶる

もう僕のことは愛してはくれないんだろうな
もう僕のことはキライだって言うんだろうな
もう僕のことは
僕のことは・・・!

どんなに思われたって君が好きさ
大好きさ
僕の瞳のなかには君しか映らない
君しかいない

頭の片隅に追いやったってすぐに君が現れるよ
ヒョッコリとね

あぁ、君が笑ってる
微笑んでる
優しい眼付きで僕を見つめている

もう現実(リアル)じゃ取り戻せない幻
ヒトのココロはまるでウソみたいにコロコロ変わってゆく

君の瞳に僕は映らない
もういない

哀しみの意味すら無意味となって
僕を責めたてる

せめて君の顔が見たい
声が聞きたい

ねぇ、僕だけに囁く
ナイショ話聞かせて

24/09/22 02:23更新 / 秋乃 夕陽
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