闇蟲(ムシ)喰いの唄
煌々と部屋を照らす明かりからふと視線を反らすと
ふかい闇が眼の前に現れた
不安≠ニいう名の蟲が漆黒の鎧を身に纏い
私の肌を這いまわる
精神(いのち)は闇に侵食(オカ)され
喰い尽され
堪えきれぬ悪夢(ユメ)の重さに
今にも消えかかろうとしている
まるで暗闇の風に揺れる
ロウソクのように
あぁ、どうしようもない寂寥感が込み上げてきて
僕を責め立てる
救われる事のない輪廻を何度も何度も繰り返す
僕の浅はかさ
さぁ、僕を追いかけては嘲笑い覆い尽くす闇の使者よ
僕の心臓を一呑みしようと企むなら
どうぞこの身体ごとくれてやろう
貴方の目前に身を投げ出して
時の渦のなかへと揉まれよう
僕がボクである限り何事も畏れず
憂いも哀しみも全て吸い取ってやるから
TOP