至福の宇宙(そら)
目が醒めてそっと舌先を口のなかで転がせてみる
カサカサに乾いた紅い粘膜が私を虚しく嘲笑う
嗚呼、 茜色に染まる唇が嘘という名の夢を紡ぎ
光惚の海を漂う海月となる
妖しく光る毒の電極が徐々に身体の自由を奪い去り
精神の奥すら深い闇へと沈めてゆく
もし貴方の煌めく刄が私の宇宙へと導かれ
自由なる精子の放出を神によって許されたならば
私は希望という名の子どもを産み落とし
貴方との確たる絆として
永遠なる海原で我が子を護り育てるだろう
嗚呼、薄桃色に染まる襞が静かなる奔流に煽られ
貴方を包み込む
貴方は天高くそびえ建つ尖搭となって私を貫く
透き通る核が浮かび上がり
やがて私のなかへと吸い込まれてゆくだろう
それはたえまない至福
ふたりにとっての永遠(ゆめ)
絆という鎖をたぐり寄せ
貴方との音楽を奏でよう
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