真夜中の赤ずきん

舌舐めずりのおおかみ
赤ずきんちゃんを狙ってる
憂いに満ちた眼差しでため息ばかりつく可愛仔ちゃんの
薬指の呪縛が解き放たれるのを今か今かと待ちわびている

耳元に甘く囁きながら何気ないしぐさで
白くて柔らかい谷間を覗き込むんだ
上気した桃色の肌がおおかみにとってのご馳走

ああ、浮かれてしまってるあの仔には
周りがなにをどう言ったって聞こえないだろうけど

ご愁傷さま
ホント、どうなったってしらないよ
あとで美味しく頂かれちゃうなんて知りもしないで
被害者の振りしたって誰も同情なんかしてくれないのさ
どんなに過去を振り返ってみても
どんなに自分が可哀想な人間か訴えてみても
始まらないだろ?
零れ落ちた水が元通りコップに戻るわけないんだ
それなのにいまははしゃぎ過ぎて我を忘れちゃってる

可哀想な赤ずきん!!

こんな救いようのない哀れな赤ずきんにも
神のご加護がありますように!!

24/09/02 00:59更新 / 秋乃 夕陽
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