真夜中の赤ずきん
舌舐めずりのおおかみ
赤ずきんちゃんを狙ってる
憂いに満ちた眼差しでため息ばかりつく可愛仔ちゃんの
薬指の呪縛が解き放たれるのを今か今かと待ちわびている
耳元に甘く囁きながら何気ないしぐさで
白くて柔らかい谷間を覗き込むんだ
上気した桃色の肌がおおかみにとってのご馳走
ああ、浮かれてしまってるあの仔には
周りがなにをどう言ったって聞こえないだろうけど
ご愁傷さま
ホント、どうなったってしらないよ
あとで美味しく頂かれちゃうなんて知りもしないで
被害者の振りしたって誰も同情なんかしてくれないのさ
どんなに過去を振り返ってみても
どんなに自分が可哀想な人間か訴えてみても
始まらないだろ?
零れ落ちた水が元通りコップに戻るわけないんだ
それなのにいまははしゃぎ過ぎて我を忘れちゃってる
可哀想な赤ずきん!!
こんな救いようのない哀れな赤ずきんにも
神のご加護がありますように!!
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