哀しみの墓標

燃えるような思念が
月明かりに照らされて
夜に漂う

あぁ、いますぐ
君の腕にしがみ付いて
そのまま溶けてしまえたら
どんなに良いだろう

たった独り
不安定な砂利道を歩く
侘びしさよ
歩くたびに小石の跳ね上がる硬い音が
コツコツと靴先に当たる
虚しさよ

哀しみと共に込み上げてくる
憂鬱な大地を踏みしめ
褪めた微笑を片頬に張り付けたまま
私は黒い血を流す

ココロの死骸が横たわる墓場は
私の安住の地
誰にも邪魔されない
私だけの桃源郷(ふるさと)

いつか君はこの地を訪ねて
枯れた大地を潤すほどの
熱い涙を流すのだろうか?
君は汚れた砂地に膝を付き
私の墓標に何度も何度も
額を擦り付け
私の死を悼んでくれるのだろうか?

私はきっとそんな君の肩をそっと抱き
「もうそんなに哀しまないで」と囁くだろう
「私はその気持ちだけを受け止め
天へと昇る覚悟は出来ているから」と

あぁ、君のかけがえのない優しさを胸に
私は君のいない空へと旅立とう

広い、広い、空は
きっと私を受け止め
地上で犯した罪も全て雲にくるんで
遠い場所へと流してくれるだろうから

24/08/25 19:03更新 / 秋乃 夕陽
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c