パンドラの匣
君のいない夜はココロにポッカリ穴が開いたようで
僕の頬から塩辛い涙が紅い血を滲ませながら溢れ墜ちてゆく
あぁ、君を愛しく想えば想うほど
もう一人の自分が瞼の奥に映る君の姿を
冷たく突き離すように見つめているよ
どうか僕をそんな鋭い瞳で責め立てないで
どうしようもなく我が身を捨て去ってしまいたくなる
こんなにも君が好きなのに
僕は僕をうまく制御出来なくなるんだ
どんなに手を広げて助けを求めたって
通り過ぎる陰は僕の腕をすり抜けて
すぐに消えてしまうから
僕は哀しみのあまり
頭が空っぽになってしまった
吹きすさぶ嵐が轟音とともに
僕のココロの中心を荒らし回っているのに
何食わぬ顔で日々の生活を送る僕を赦して
偽善の神が僕の肌に爪を立てて
笑いころげる喜劇を君が罪の刃で烈しく罰するならば
僕は甘んじてその罰を受けよう
そして怯む事なく君への忠誠を誓って
蕀で編んだ指輪を君の大切な指に贈り
錆かけた楔を永遠の愛という名の絆に変えよう
それだけが僕が出来る唯一の贖い
僕と君とを結びつける唯一の愛のカタチだから
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