彼方の夢
まだ幼い僕の夢は
激しくうちつける雨に耐え
その雨露に濡れそぼった蕾を大きく揺らして
力強く赤い両腕を拡げた
黒々とした顔を覗かせていた雨雲
その身を真っ二つに切り裂くような
熱い日差しを感じて一目散に逃げ失せた
燃えるような光は眩く輝きを放ち
暗渠へ引きずり込む力をねじ伏せる
それは虹色の夢
誰にも遮断されることのない絶えぬ欲求
どうして止められようか
僕たちの夢はまだこれから伸びゆく若草
踏まれようと引き抜かれようともまた命繋ぐ
塞がれた声がいま大声援となって背中押す
どんなに両腕両脚をもがれようが
僕たちの夢は断たれることはない
そう 決して
仰ぎ見た先にまだ儚げな白が目に焼き付く時
僕らは大きく息を吹きかけ
暗澹たる蟠りを彼方へと飛ばす
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