潮騒の涙

君の瞳に僕は映らない
もういない
微笑みは涙となって海へと流れてゆく
まるで半身を引き裂かれたように
ココロに激痛が走り
亡くした愛を捜している

あぁ、涙に滲む君の顔
君の姿
愛してはいけないと分かっているのに
愛してしまった僕の罪

いまこの場で胸を掻きむしり
雄叫びを上げる事が出来るなら
どんなにか気持ちが楽になるだろう

僕の分身だと信じた君の面影は
闇夜に紛れて消えてしまった

それは幻
儚い夢

あの慈愛に満ちた僕への眼差しは全て
嘘という黒いペンキで塗り重ねられて見えなくなった

君の声も遠くに霞んで
ゆらゆら揺れている

僕は君の何が好きだったんだろう
ココロから君を“大事”だと思った
その理由(ワケ)は?

全ての答えは波に浚われ
儚く消えた

24/08/02 00:26更新 / 秋乃 夕陽
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