憂いの風
冷たい風が
私の頬を
荒々しく
撫でてゆく
川の畔(ほとり)で
鴨の群れが
寒そうに
身体を
縮こませながら
休んでいる
嗚呼、こんなにも
明るい日差しが
地上を
照らしているというのに
鮮やかな色も
今はあせ
凍りつくような
空虚が
景色のなかを
漂っている
禍(わざわい)と孤独の使者が
誰かの肩を
叩くように
カタカタと
音を立て
不吉な預言を
唱えながら・・・
どうか
どうか
凶険な風よ
これ以上
哀しみの涙を
流させないでおくれ
24/07/29 00:47更新 /
秋乃 夕陽
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