醜物記(かいぶつき)

哀しいかな
我が人生

絶望の淵に立たされ
我が身を痛ましく思う

人としての営みも何もかも捨て
これからは生きることよりも
暗き窖(あなぐら)へと
入り込むことのみ考えてゆこう

死に神の導くまま歩を歩めば
人間であった過去すべてを
忘れ去ることが出来る

嗚呼、苦しみは去り
安楽なる路が約束されるだろう

私という人間は忘れたまえ

無用の長物となりし肉体は
腐り果て
土となって
大自然のなかへと
還って逝くのだから

24/07/27 00:15更新 / 秋乃 夕陽
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c