忘れずの君
君は爪を噛んで下を向く
白い時間が二人の間に流れてゆく
むなしく流れるジャズの調べ
僕は言葉を切り出す勇気も無く君を見つめるけれど
もうボクの事なんか君の瞳にも映らないんだ
明日になれば君は灰色の群集に紛れて
僕の知らない色に染まってゆく
このまま僕は君を許す事も愛す事も出来ずに
ただ時を過ぎるのをじっと待ち続けるのだろうか?
何の意味も無く
ただ君との思い出だけを置き去りにして
ねえ、君のその茜色に染まった唇から
漏らす言葉を僕は聞きたい
どんな一行でもいい
柔らかな声音から吐き出される君の吐息を
いまここで感じられるなら
僕はこの憂鬱を胸に刻んで君を忘れよう
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