初恋

夕陽に染まった
校舎の窓ガラス

君は寂しそうな横顔で
ひとり
石を投げてた

ぶつけられた窓ガラスの
割れる音だけが
ただ虚しく
心に響く

そう
僕は忘れない

眉間に皺を寄せ
剥がれ落ちる窓ガラスを
グッと睨み付けるような
君の顔つき

あまりにも
印象的で
僕は立ち止まったまま
ただ君だけを
見つめていた

はっとした表情で
気付いた君に
僕は見てはいけない物を
見てしまったような
秘密を感じて
慌てて
その場を
走り去ってしまったけれど

僕は君のなかに宿る
孤独と優しさを
そのとき知ってしまったんだ
あれから
幾年か
月日が流れて
記憶が思い出に変わっても
僕は忘れない

アノ頃の情景は
僕の一生の宝物


24/07/12 16:58更新 / 秋乃 夕陽
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