薔薇の行方
鉄の鎖が絡みつく
私の身体に
重く圧し掛かる世界に耐え切れず
悲鳴を上げる
阿鼻叫喚の地獄絵は
まるでホラーショーのように
繰り広げられる
笑っているのか
泣いているのか
まるで分からない人々の中で
ただぽつんと私は佇んでいる
愛という名の偽りに
こころ乱され
白い大輪の薔薇は
乱暴に投げ捨てられたゴミ箱の中で
無残にも萎れている
そう
誰にも見返されることもなく・・・
嗚呼
美しさをもって咲き誇る薔薇すら
ていのいいカネヅル達の歓声を浴びながら
お辞儀をする君の瞳には
映らないのだろうか?
まるで厄介者のように
邪険に払い除けられた華ばなは
一粒の涙すら残さず
枯れてしまった
もし
少しでも
茶色く萎れた華に気付いたならば
華は貴方の微笑で息を吹き返し
元の美しさへと蘇るであろう
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