人形達の夜
人形達の夜は厳しく険しい
どんどんと替わっていく好奇心
今まで向けられていた熱意の眼差しも
一度も向けられることなく
忘れ去られてしまう
部屋の片隅にポツリと置き忘れられた人形達
何の躊躇もなく捨てられた
無駄な消費
無駄な消費
なんという無駄な消費だろう!
莫大なエネルギーがつぎ込まれていく
次々と生産されては消費され、煙のように消えていく存在
我ら人間は束の間の夢を楽しむに過ぎぬ
新しいものや流行物に目移りする者の眸には
心の片隅に追いやられた人形達の姿など映ることはない
人形達を躍らせつつ、自らも踊らされていく事も知らぬ我ら
我らはジプシー
幻のみを追いかけて今日も往く
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