待合室


病院は嫌いだが
自分が呼ばれるまでの
あの僅かな自由時間は
嫌いではない

拘束という
不自由の中にあって
皮肉にも私の思考は
勝手気儘だ

これは謂わば
列車に乗っている時と
同じような感覚である
流れに委ねる

現実にあって
非現実へ跳ぶのだ
肉体という殻から
脱け出すのだ

私は天道虫
空の上を泳ぎ回り
疲れて貴方の指で
脚を休める


22/03/03 11:42更新 / はともみじ
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c