後始末


原稿は
編集者の目に
止まらなければ
ただの紙屑だ

恐らく
印刷物として
大衆の目に触れる物は
ほんの僅かで

存在すら知られない
紙屑群の土台があってこそ
それらは
世に出ることができる

書店で平積みにされている
勝者の言葉をそっと立ち読む
最初の三行で
才能の違いを思い知る

私は多分もう
紙屑を産むことは無い
筆記具も手帳も原稿用紙も
全て焼いてしまおう

私は解放された
創作という呪縛から
夢の後始末は
夢に食われる前に



20/07/11 12:42更新 / はともみじ
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