土砂降りだろうが親燕は餌取りを休まない
早朝に
近所の神社まで
お参りをする
予報どうりの雨
道すがら
水溜まりが
生まれていた
玄関先の小窓を
少しだけ開けた
家の前を通る
普段ならば
燕のつがいが
出たり入ったりと
忙しない
ところが
今日は静寂があった
この雨では仕方もない
目的の神社に着き
境内の巨木を見上げる
見張り番の烏も
今日は非番のようだ
雨の日は
鳥達に
何を
齎すのか
退屈か
はたまた
休息か
神へのささやかな
願い事を済ませ
来た道を戻る
あの家の
玄関前
小窓が
見える
そこから
黒い影が
飛び出した
降り頻る
雨の鑓を
諸共せず
気づけば
私は
空に向かい
強く
拳を
掲げていた
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