まちがえる

田舎蛙は
餌とりの帰り
道を間違え
街へ出てしまった

見るもの全てに
胸踊り心奪われた
田舎蛙は
街に住み着いた


唄声をいかし
生計を立て
伴侶とも出会い
子供も産まれた

田舎蛙はふと
親の事を思い出した
家族を連れ
田舎へ戻った


親に会いに行くと
どなたと首をかしげられる
田舎蛙は歌ってみせたが
声がちがうと追い返された

帰り道で田舎蛙は泣いた
涙が沢山出て水溜まりができた
そこに映っていたのは
見知らぬ街蛙の顔であった







20/05/29 22:58更新 / はともみじ
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