異福

衣服は我々人類に
"快適"と同時に"階級"をもたらした

人は身につける物によって
表情を様様と変える

自信に光溢れた顔
暗く塞ぎ込んだ顔


しかし今その絶対的仕組みが
完全に崩れ去ろうとしている


未知なる疫の蔓延によって
人類は表情を殺す選択をした

小さな布で顔の半分を覆うことで
我々は欺瞞の表情から解放された

人の反応に一喜一憂する必要もない
これ程に幸福なことは他にはない


多少の息苦しさはあるだろうが
生きやすさを得れば苦にならない




20/05/15 23:04更新 / はともみじ
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