思い出さずにはいられない
あなたのことを思い出さずにはいられない
柔らかい肌の温度を覚えてる
こんなに長い時間が経ってしまったというのに
目に映る秋の風景
茶色や橙色の葉っぱが風に吹かれて、落ちて
雲の隙間から覗く空も
茶色がかった秋の色になって
鈍色の空気に
だんだんと季節が終わるのを感じる
季節外れ
台風のニュース
今頃になって
考えるのをやめるように歩けば
溜め息ばかり
靴紐がほどけているけど
何となくそのまま
つまづいて
溜め息ばかり
あれ?
出口のない迷路
冷たい風が吹いて
螺旋を描いて落ちる葉っぱ
ぬかるみに嵌るように
記憶が溢れる
季節が終わっていくのを感じる
たそがれて歩きながら思い出さずにはいられない
今もまだ唇の感触を覚えてる
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