ガラスの部屋

枯葉が舞う季節になったのですね

晴れていてもきっと風が冷たいのだろうと思います

透明な隔たり

ここには日差しの温度だけが届きます

誰からも干渉されず、誰とも触れ合うこともない

誰からも見えて、誰のことも見える

ここには扉もなく、外には出られません

外の景色を眺めるだけ

だけどこの景色は本物なのかさえ、定かではありません

あなたの温もりを懐かしく思い出しては

寂しくなるばかりで

この静かなガラスの部屋に逃げ込んだのは

自分自身なのだと思い知らされます

どうやら言葉も忘れてしまったようで

声を届けることも出来そうにありません

あなたにはどんな風に見えるのでしょうか

恥ずかしく惨めで弱々しい、とても情けない

それでもこんな場所から

あなたのことを考えています

どうか風邪などひきませんように、と

24/11/11 01:38更新 / こわれもの
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