ガラスの部屋
枯葉が舞う季節になったのですね
晴れていてもきっと風が冷たいのだろうと思います
透明な隔たり
ここには日差しの温度だけが届きます
誰からも干渉されず、誰とも触れ合うこともない
誰からも見えて、誰のことも見える
ここには扉もなく、外には出られません
外の景色を眺めるだけ
だけどこの景色は本物なのかさえ、定かではありません
あなたの温もりを懐かしく思い出しては
寂しくなるばかりで
この静かなガラスの部屋に逃げ込んだのは
自分自身なのだと思い知らされます
どうやら言葉も忘れてしまったようで
声を届けることも出来そうにありません
あなたにはどんな風に見えるのでしょうか
恥ずかしく惨めで弱々しい、とても情けない
それでもこんな場所から
あなたのことを考えています
どうか風邪などひきませんように、と
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