凧上げ

ボロボロの薄汚れた凧が
風に揺られて、僕を見下ろしてる
僕はどんな風に見える?

こんな汚い凧を上げてる人なんていない
糸は僕の胸から凧へと伸びてる

狡猾な僕は、
子どもの頃からつらい時には凧上げをした

凧なんて持ってないけど
心をどこか遠くへ飛ばして
ちっぽけな自分を眺めた

情けなく
惨めで
救いようもない

狡猾な僕は、
誰かが手を差し伸べてくれる時にも凧上げをした

調子が良く
軽薄で
何も考えていない

その場しのぎで
笑えるところが一つもない
そんな空っぽの僕を
風に揺られながら眺めた

今もまた
僕はどんな風に見える?


24/11/02 01:27更新 / こわれもの
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