駄々っ子
Yシャツの胸に インクをこぼした
乾いてすっかり落ちなくなった
昔着ていたTシャツの柄は
パステルカラーの怪獣で
寄れても擦れても気にしなかった
あああ ああ ああ あ
僕 あの頃に戻りたい
涙とよだれに色がついて
舐めた舌の上 じんわり ねっとり
日曜日の昼下がり 車でお出掛け
後部座席は心地いい揺れ
寝ぼけ眼に映った 父さんと母さんは
白髪がどんどん黒く染まって
化粧がどんどん濃くなって
金網越しに見える工場
錆びた煙突が吐き出すため息
鼻ぼこちょうちんの中で
雲と混ざって ふんわり ぼんやり
あああ ああ ああ あ
みんな あの頃に戻ってほしい
あああ ああ ああ あ
戻ってほしい みんな戻ってほしい
夕ごはんはカレーが食べたい
でも僕 どこに帰ればいい
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