折り紙畑
あの子はワンピースの裾を揺らし
折り紙畑を駆けて行く
掻き分けられた向日葵達が
甘い手の平の匂いを糧に
ぐんぐんと首を伸ばし
あの子の背中を覆い隠す
彼方で現の鐘が鳴り
瞼の痙攣に拍車がかかる
僕は羽根のよれた紙飛行機に乗り込み
憧れの景色や足音に別れを告げる
あの子は麦わら帽子を揺らし
折り紙畑に消えて行く
鐘の物悲しい響きが
濡れた紙飛行機の舵をとり
僕を憧れから遠ざける
遠ざける
20/09/07 21:32更新 /
わたなべ
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