迷い子一座
迷い子一座のクラウンが
欠けた月の鼻の先から
お客を探して街を見下ろす
重い瞼の裏側で
冷たい手摺にもたれ掛かる
虚ろな目をした子どもたち
いくつも寝返りを重ねて
蛍光灯の点滅から
必死に逃げる子どもたち
彼らの濡れた枕元
クラウンはそっと降り立って
秘密の舞台の幕を上げる
迷い子一座の演目は
星のスポットライトの下で
子どもの心を包むメルヘン
迷い子一座は夜を行く
同級生の並んだ顔を
ウサギやリスの群れに変えて
迷い子一座は夢を行く
先生が撒いたチョークの粉に
甘く優しい詩を紡がせて
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