さみしい 寂しい

夕立に濡れたコンクリートが
吐いたため息が形を持って

夕陽を浴びた街路樹が
伸ばした影が自由になって

さみしい背中の子供たち
商店街のシャッターを
音をたてずに叩いてまわる

寂しい色の境界線
街中 タイルの目地を踏む
小さな足跡 点々と

かよわく灯った月のもと
漂う寝息の裏にかくれて

震える姿はまばらに浮かぶ
星の瞬きと重なって

さみしい背中の子供たち
廃屋の庭の犬小屋で
首輪を握りしめて眠る

寂しい色の境界線
街角 塀の向こう側
乾いた涙 点々と


23/02/10 22:00更新 / わたなべ
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