飛んでった

ましろな羽根
とってもましろな君の羽根
飛んでった お月さまのまぶたへ
そこから涙を一つすくって
大事に雨を撒いておくれ

君は天使 片道切符の
寂しい旅を計画してた
僕はどうしても意気地がなくて
お土産を待って布団をかぶった
どうか忘れずに撒いてね
冷たいお月さまの涙

まくらい夜
とってもまくらく固い夜
ひびくよ 頭の中がんがん
お月さまは真顔のままで
頑なに目尻を下げない

君は嘘つき ひどく滲んだ
思い出の中で手を振ってる
僕はもう喉がひび割れたのに
布団の中でしおれたままで
今でも貰おうと待ってる
冷たいお月さまの涙

まさらな空
とってもまさらで澄んだ空
漂うよ 白い一枚羽根
お月さまの裏で誰かが
ゆりかごの中に戻りたがって


23/02/10 22:07更新 / わたなべ
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c