かけがえのない牢獄
どこでもないどこかを思い浮かべながら
でたらめに自転車を漕いでみました
ずいぶん遠くに来たなと思って止まったら
僕の家の目の前にいました
いつでもないいつかを思い浮かべながら
布団を頭まで被ってみました
朝と昼と夜が溶け合った空に落ちる寸前で
母さんに叩き起こされました
誰でもない誰かを思い浮かべながら
洗面所の鏡を覗き込んでみました
見飽きた僕のぼんやりとした顔が
僕をぼんやりと見ていました
お前なんか大嫌いだと呟きながら
頬を思いきりつねってみました
目から溢れ出た涙が生温かくて
悔しいはずなのにほっとしてしまいました
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