夜毎のあみだくじ
あみだくじをして手に入れた思い出の中から
またあみだくじをして今夜の夢を決める
金魚の夢に鯨の夢 蟻の夢 象の夢
種類は幾つもあるはずなのに
僕は体が大きくなるにつれて
人間の夢ばかり見るようになった
それは決して悪いことではないけれど
ないけれど ないけれど
もしかして君は虚しいのかい と
誰かにいやらしく問われたら
いいえ 胃がきりきりと痛むだけです と
虚しい嘘をついてしまうだろう
くじを作っているのは誰だ
問いかけてくるのは誰だ
ずっと運に任せて生きてきたから
肝心なことは何一つ分からない
ああ 今夜も人間の夢を当ててしまった
きっとまた罵られる夢だろう
せめて年老いた両親に怒鳴られるのではなくて
幼かった頃の自分に指をさされて笑われたい
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