いつかの夕暮れ
目を瞑りながら滑り台を滑り降りると
青かったはずの空が赤黒く染まっていた
友達は先に帰ってしまったのか
見渡すと公園には僕一人しかいなかった
タイヤが潰れて跳ねなくなったシーソーに
座面が外れて鎖だけぶら下がったブランコ
鉄棒 ジャングルジム さっき滑った滑り台も
遊具は全て壊れて錆びついていた
しばらくベンチに座ってぼんやりとしていると
六時を知らせるチャイムが流れ出した
こもった音色の夕焼け小焼けを聴いていると
母さんの手料理が食べたくなった
けれどふと見下ろした自分の手が傷だらけで
僕は僕という一人称がとても恥ずかしくなった
そして家に帰ることも恥ずかしくなって
家路と反対の出口から公園を出た
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