ぼやけた夕暮れ
ぎいこんばったん ぎいこんばったん
胸の浮き島で揺れるシーソーが
ポンプのように寂しさを流し込み
空を赤黒く染め上げていく
鉄橋の上 渋滞に揉まれながら見下ろす街は
夢遊病者の吐息でぼやけている
家 学校 駅 デパート
あらゆる物の輪郭が不確かで
一際ぼやけた送電塔が
電磁波で指揮を取り始めると
大きな手は伸び狂い 幼い手を振り払う
ぎいこんばったん ぎいこんばったん
その向こうでシーソーはリズムを変えずに
空を寂しげに染め上げていく
23/06/11 22:13更新 /
わたなべ
作者メッセージを読む
いいね!
感想
Tweet
TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c