断片的人生
写真に写った幼い自分が
自分だったとは思えません
いつか住んでいた町の名前が
地図のどこにも見当たりません
父と母の後ろ姿が
ぼやけてはっきり見えません
またねと言い合い別れたまま
友とはそれきり会っていません
手紙を何枚書こうとも
宛先が思いつきません
旅をしようと家を出ても
行先が思いつきません
昨日の欠片を寄せ集めても
今日の地図にはなりません
今日の笑顔も涙も明日には
忘れるに違いありません
23/06/05 12:38更新 /
わたなべ
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