回顧
淡い月明かりに照らされた
小さな団地の公園で
知らない子供達が遊んでいる
懐かしい声ではしゃいでいる
錆びたブランコとシーソーが
まるで意識の振り子のように
右の瞼の裏で軋んで
左の方では微かに揺れて
仄暗い路地の片隅で
おじさん 赤ん坊を抱きながら
乾いた雨音を聴いている
溢れ出す涙に濡れている
やつれた顔と澄んだ瞳が
まるで慰め合うように
昨日を捨てきれずに俯いて
明日を求めて空を仰いで
遠い昔に失くしてしまった
無邪気な笑顔 優しい心
行き先を告げることもなく
僕の背中を去った影
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