あがるとき
真夜中の町に破裂音
枕が揺れて体がねじれて
ベッドの上を宙返り
僕は急いで窓を開けた
突風が部屋に入り込み
狂ったように踊り出し
星の焦げた匂いをぶちまく
空襲警報 空襲警報
うおんおんおん うんおうんおん
ピント外れの目のままで
空を見上げて驚いた
牛乳を混ぜこんだような
やわらかく白い満月に
煮えたぎらせた血のような
赤黒く歪む太陽が
まともにぶつかり大爆発
エマージェンシー エマージェンシー
ひよんよんよん ひんよひんよん
あっという間に夜が吹き飛び
町の空気が膨張し出した
すずめがカラスを追いかけてる
青虫が高く飛び跳ねてる
いてもたってもいられない
僕の中では花火が上がり
歓喜の叫びが鳴り響く
空襲警報 空襲警報
お祭りの時間 楽しいひととき
エマージェンシー エマージェンシー
終わりは知らない 知りたくもない
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