異界
異界 それは現世のどこかか
あるいは彼岸か そこまでは分からないけれど
僕は自分が過ごすこの世界のような
別の時空間が存在していると思えてならない
何故ならば 季節の変わり目や転居
進学 就職 様々な出会いと別れ
かつて通り過ぎた心の狭間から何度も
仄暗い街並みや 俯いて歩く影を覗き見たから
そして僕は いつからか眠れなくなった
夜毎に自分の匂いが染み付いた布団の中で
安らぎを求めて目を瞑っても
もう殆ど忘れてしまった誰かの面影と
その傍らを漂う物悲しさに
じっと 見つめられているような気がして
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