おじさんの航海
あのおじさんの口笛は
いつも陽気にらりぱっぱ ぱあらりら
目尻に浮かべたボロの小舟で
どこか遠くを目指してた
おじさんはよく言っていた
俺は沢山の嵐に遭ったが
それでも沈まず生き延びた
俺は一流の船乗りなんだ
だけどいつでも船酔いだった
真っ赤な頬に震えた手
誰にも見えない地図を広げて
しゃがれた響きのヨーソロー
泣きべそをかく子供みたいな
歪んだ顔で笑ってた
そんな姿が情けなくて
少し怖くて でも好きだった
おじさんのあの口笛を
真似して僕もらりぱっぱ ぱあらりら
ボロの小舟が目尻を濡らして
遠いあの頃へ流れてく
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