ささくれた夢

重い瞼の裏で見つけた公園は
蛇口から流れ出る水がやけに苦かった
それが何故だか誇らしくて
けれど 少し寂しかった

夢中になってブランコを漕いだ後
手の平に残った 赤錆びと鉄の匂い
それが何故だか痛々しくて
けれど とても嬉しかった

自分の心から剥がれ落ちた抜け殻を
捨てられずにいるものだから
僕は夜毎 ささくれた夢に囚われて

小さな街を取り巻く気配は
母さんの羊水 あの甘い温もりの代わりに
粘ついた汗と涙で満たされている

23/02/10 21:16更新 / わたなべ
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