三日月が流す雫の鱗粉みたいなキラキラを




傷ついたものを隠すのではなく
優しい夜の部屋にそっと置いてみた

悲しみは角を生やした鬼の顔で
両手両足を縛りつけようとする

三日月が流す雫の
鱗粉みたいなキラキラを

だれといっしょにみれば良いのか
だれか声をかけてよ孤りは痛いよ

幸せなんかむかし話のなかにしかない
遡れば小さな子どもだったころ

神さまのことさえ正しく信じていた
その姿をみたことなんかないくせに

幸せは変わらずにあの子ども部屋にある
その無垢な笑顔が浮かんでは消える部屋

すべての想い出が音を立てて崩れたら
その瓦礫の下を泣きながら泳ぐ

ただほんとうのことを云っていいのなら
私は子どものころから泳げなかったんだ









22/10/04 01:52更新 / 花澤悠
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c